「……陽葵。俺はここにいるよ。ずっとここにいる」
違う……違うよ、そう言う事じゃない。
こうやって抱きしめ合うことも、手を繋ぐことも、一緒に笑い合うことも、この公園で一緒に空を見上げることも、もうできないなんて信じたくない。
「……う……ぐすっ」
「陽葵、俺がここにいることを忘れないで。悲しくなったり、辛くなったりしたらこの公園に来て、また一緒にこの場所で空を見よう。俺はここで待ってるから」
滉ちゃんが優しく、でもどこか震えた声で言った。
「……ほんと、に?」
「うん。ほんとに」
「約束してくれる?」
「約束するよ」
そう言うと滉ちゃんは抱きしめてた腕を離すと、小指を出してきた。私も小指を出す。
2人は小指を絡めると笑顔で笑いあった。
「約束だよ、滉ちゃん」
「ああ」
小指を離した途端、急に睡魔が襲ってきた。
「……なんかもう、眠い、かも……」
「寝転がるか」
そう言って滉ちゃんは寝転がると真横に腕を伸ばす。頭をのせろという合図だ。
私はそれに従って滉ちゃんの腕に頭をのせ、寝転がる。
寝転がると、辺り一面が光り輝いていた。まるでプラネタリウムだ。
「キレイ」
「だな」
そして私は滉ちゃんの方に向きなおった。
滉ちゃんはどうしてこんなにも温かいのだろう。
「滉ちゃん」
「ん?」
「大好きだよ」
「俺も。好きだよ、陽葵」
そして私は、眠りについた。