7.
すごく嬉しかった。
最初に告白された時、この人のところに逃げてしまおうかと思った。
でもそれはできなかった。先輩がいる限り。
それでもあの人は助けにきてくれて、また私に告白してくれた。
約束を……してくれた。
「陽葵ー!帰るぞ!」
「うん!」
付き合い始めてから、帰りは滉ちゃんが私の教室にきてくれる。滉ちゃんの呼ぶ声のもとへ私は笑顔で走って行って手を繋いで帰る。
帰りに寄り道をして、食べたり遊んだりして、いろんな事をした。滉ちゃんと一緒にいる時が私にとって1番笑顔になれる時だった。
「いい彼氏さんができて、陽葵も幸せだねぇ~」
昼食中に恭子がにやにやしながら言ってきた。
「滉ちゃん、すごい優しいんだよっ!」
「はい、ノロケはいいから!いつから滉ちゃんなんて呼ぶようになったの?」
「最初は滉晴って呼んでたけど、滉ちゃんの方がかわいくない?」
私は笑顔で恭子たちに言った。
「あー、はいはい」
興味ないといった顔だ。
「何それー」
「まぁ何でもいいじゃん?陽葵がそうやってよく笑うようになったの滉晴くんのおかげだし、私らこう見えても滉晴くんに感謝してるんだから!」
笑顔で恭子と麻美は私の頭をぐしゃぐしゃにする。
「それ、滉ちゃんに言ったら?」
「ん、今度言っとくよ!」
「それはいいけど陽葵!サボリすぎもいけないからね!」
「あ、はーい!」
滉ちゃんと付き合いはじめてから、2人でよく授業を抜け出す事があった。
麻美に注意されたものの、やめる気は全くない。