「……吉成くん」

陽葵ちゃんが心配そうに俺を見つめてくる。

「あ、ごめん、ついカッとなっちゃって……頬、大丈夫?」
「ありがとう」
「え……」

「ありがとおおおお……」

泣きながら俺のそばに寄り添ってきた陽葵ちゃんの姿を見て、陽葵ちゃんを守りたいと強く思った。
だから、陽葵ちゃんの肩を掴んで大声に近い声で言った

「陽葵ちゃん!俺、やっぱり陽葵ちゃんが好きです!誰よりも陽葵ちゃんが好きです!俺と付き合って下さい!!」

「……“陽葵ちゃん”?」
「あっ……つい……」

いつも裏では陽葵ちゃんて呼んでたから。なんて事は言えなかった。泰貴もやれやれといった顔をしている。


「……いいよ」
「……え?」
「お願いします!」

驚いた。思わず目を丸くさせる。

「ほ、本当に?」
「うん!」

そこには笑顔で笑う陽葵ちゃんの顔があった。

「その代わり、ちゃん付けじゃなくて、陽葵でいいから。よろしくね……滉晴!」
「は、はい!」

また出てしまった。丁寧口調。
泰貴が隣で微笑ましそうに笑っている。

嬉しすぎて心臓がバクバクいってる。


そして俺は言った。

「俺、約束する!」
「約束?」

陽葵が興味深そうに聞き返す。

「ああ」

陽葵の手を握り締めて、言った。



「俺が絶対、陽葵を守るから」

命に代えても……絶対に。