5.

公園に行かなくなってから2週間が経った。
だから、滉晴と会わなくなって2週間ということだ。

私は学校にも行かず、滉晴と出会う前の生活に逆戻りした。
街をただ歩くだけの散歩をして、野良猫がいればかけよって遊び相手にもなった。

そんな平凡な毎日を過ごしていた。



その日はとても寒かったため、マフラーをしていった。

「もう12月かぁ……」

今頃受験生は忙しいんだろうな……とか他人事のように思ってみる。

来年から2年生と思えてくると少し不安に思えてきた。
全然学校に行ってないから授業なんてどこやってるか分かんないし、分かったところで入学当初から今やってるところまでおいつくはずがない。

でも不思議と後悔なんてしてなかった。でも不安は大きい。
来年からは学校に行かなくてはならない。どんな顔して行けばいいか分からない。

──違う、私は行きたくないんだ。
何もない場所に戻るのが、怖いんだ。






しばらく歩いてたらお腹がすいてきたので、近くのコンビニに寄った。適当におにぎりを2つとペットボトルのお茶を買い、袋に入れてもらって外に出る。

食べる場所を探そうとコンビにの角を曲がった時だった。向こう側で人がたくさん集まっていた。何かを取り囲むようにして集まっている。何事だろうと思い自分も駆け寄ってみると、車が電柱にぶつかった状態で止まってるのが見えた。

心拍数が早くなるのが分かる。頭が痛い。
やだ……嫌、だ……。

どこからか救急車のサイレン音が聞こえた。

「やだ……っやだ……やめ、て……」

頭を抱え込む。
見たくないのに、その光景を見てしまう。