そして、流星が見られる日がやってきた。
 星の海が広がる天。
 香恋の体はほとんど動かないので、奏汰は車椅子で香恋を病院近くの公園に連れて来た。
「もうすぐかな……」                              
 満月の夜、香恋の夢は叶った。
 流星が落ちた。
「わぁー!すごい!」
 香恋は目を輝かせていた。
「やっぱり流星ってきらきらしていて、人の心を動かせるんだね。それくらい凄いものなんだね。奏汰は、私の夢を叶えてくれたね!ありがとう、奏汰っ……!」          
 そして、香恋はきらきらしている流星と共に星となっていった。       
 僕は香恋の笑顔を見ると自分も笑顔になれたと思った。
 僕は香恋のことが……。                    
「好きだ……ありがとう、香恋!」                         
 僕は夜空に向かってそう叫んだ。                        
「──青い薔薇の花言葉は『奇跡』や『夢叶う』なんだよ──」            
 僕は香恋から、たくさんの『奇跡』や『希望』をもらった。                       
                                       
 僕と君の長かったようで短かった恋はまるで──流星のようだった。