『ぱてまさん、もう一度サーバーに招待してください。やむさんと話がしたいです。』
『了解なのだよ。』
送られたURLに飛び、サーバーに入る。やむは相変わらずボイスチャットに入り浸っていた。
『やむ、少しkeyの話を聞いて欲しいのだよ。』
『は?何よ、また来たわけ?』
正確に、丁寧に文を打つ。待っていてくれることを願ってゆっくりと文を打つ。
『私はずるい人間です。やむさんの言う通りでした。人気も欲しいし、居場所を求めて、誰かに存在を証明して貰えないと生きていけません。』
『だから...成長したいんです。きっと調子にのるな、とか図々しいと思うかも知れません。でも私は今の自分は嫌なんです、変わりたいんです。』
『お願いの仕方を変えます。やむさん、私が作曲活動を手伝わせて頂くので私を自分探しのためにここに置かせてください。』
送信を押し、やむに文章を渡す。黙り込んで返事がない。読んでくれているのだと信じて待つ私に、ぱてまはDMで
『心配しないで、なのだよ。』
とメッセージを送ってくれた。

5分ほど経った。まだ返事がない、でも先程のように作業音が聞こえないから無視されているようにも感じない。やむさんからはどこか里穂と同じ匂いを感じた。言葉一つ一つに気持ちが込められていて、キツい言葉もあたたかい。そう感じた。
もうしばらくすると、やむからひとつのファイルが送られてきた。
『これがやむとぱてまで考えたサビメロ。感想とか何か言いたいことがあるなら私に送って。手抜いたら承知しないから!!』
認めてもらえた、私の思いが伝わった...!!
『やむってば、意地っ張りなのだよ~』
『はぁ?黙りなさいよ作曲ヲタク、口動かすなら手動かしなさいよ!!』
『作曲ヲタクなのはやむも一緒なのだよ~』
仲睦まじく戯れる2人の声を笑顔で聞く。居場所を求めたっていい、認められようとする行為もいずれそれが私の強さとなるのだから。