それから、次の年の春が来た。

 春が来て、見える世界は、桜色一色に染まっている。

「そろそろ来るかな」

 玲奈とお花見をしようって話になり、大きな桜の木の下に席をとり、待っていた。はりきりすぎて、約束の三十分前に着いたので、ぼんやりしながらひとりで桜が揺れたりするのを眺めていた。

「優菜ー!」
 
 玲奈が、遠くから叫んで走ってきた。

「天気良くていいねー!」

 玲奈はとても澄んだ空の色に似合う笑顔をしていた。

「玲奈ー!」

 私は立ち上がり、おもいきり手を振った。

 玲奈とは、あれからもずっと仲良し。
 変わった事といえば……。