歩き出そう、虹色に輝く未来(あす)へと。

「っ……!!」
《優歌ちゃん……“ありがとう”は私もだよ》

桜が私の髪に着く。
それも気にせず、桜の木の前で立っている茉璃愛先輩を見ていた。

《頑張ってね、優歌ちゃん》
「っはい……!!」

できるだけ、明るく。できるだけ、大きく。
私は返事をした。


もう一度、風が吹くと。
先輩は桜の花びらに囲まれ、消えていった。



───桜舞い散る空の下で、また逢えたら───


……逢えましたね、茉璃愛先輩。









*****


「優歌、帰ってたんだ」
「渉、もう大丈夫なの?」

渉の隣には、可愛らしい女の人がいた。
そう。渉を命懸けで立ち直らせてくれた人。

そのおかげか渉の精神が安定し、以前のような渉に戻った。


「大丈夫、知佳(ちか)がいるから」
「よかった。……結婚するんだっけ」
「ああ。来月な」

渉は知佳さんの肩を持った。

「おめでとう。私は出られないけど……幸せになってね」
「絶対なるよ!!優歌も、幸せを掴めよ」
「分かってますーっ。でも、学校に来るなんて珍しいね」

渉は知佳さんを見ながら答えた。

「優歌が通ってたここに、一度来たいって聞かなくて」
「優歌さん……あたし、優歌さんの代わりに渉のそばにいます!!」

大きく頷いて、

「よろしくね、知佳さん」

と笑って応えた。

二人は礼をすると、別の場所へと行ってしまった。




──みんな、幸せに向かってる。
私も、私だけの幸せを掴もう。


律玖さん、茉璃愛先輩、栞衣奈。
みんなに会えたことが、私にとって宝になる。

一つの出会いを、大切にしなければならない。
それを、学んだ。



「描こう

虹色のパレット

歩き出そう

虹色に輝く未来へと……♪」



どこまでも広がっている空へと歌う。

無限に広がる空のように、一人一人が歩む未来(あす)は無限大だ。
夢や希望を持って色鮮やかに描く未来(あす)が誰にでもある。



たとえ、離れていても。

この歌がみんなに届きますように──。





―END―