葬儀も終わり何日か経った後、私は学校の階段を上がっていた。
──コツ……コツと、階段に響く足音。
朝早くなため、まだ誰もいない。
────・・・
『屋上に来てくれませんか、明日の朝』
『屋上に……?』
『私、待ってますから』
────・・・
強引だったかなと後悔をしても、後の祭り。
覚悟を決めて、今屋上への階段を上がっている。
キィィ……
ドアを開けた瞬間、光が差し込んでくる。
「……もう、来てたんですね」
振り返ってこちらを見る彼に声をかける。
「少し、遅くなりました。呼び出しておいて、すみません」
「いいよ」
向かい合って話す。
「いい話?悪い話?」
彼……律玖さんは少し笑いながら言った。
「どちらに入るんでしょう。悪いようでいい話、です」
そっか、と律玖さんは目線を一回下に落とすと、私の目を見た。
「いいよ、話して」
「……私、律玖さんの事が好きです。今の律玖さんにつけ込むようで、嫌だったんですけど……。
でも、茉璃愛先輩の想い、無駄にしたくなくって……」
律玖さんは表情一つ変えない。
「……律玖さん」
「……知ってたよ、優歌ちゃんの気持ち。
茉璃愛が、優歌ちゃんと幸せになってって言ってたから……」
「先輩が……?」
「もちろん、声には出してないよ。だけど、目でわかるんだ。長い時間を一緒に過ごしたから」
手すりにもたれかかる。
「優歌ちゃん」
律玖さんの唇が、ゆっくりと開いた。


