歩き出そう、虹色に輝く未来(あす)へと。

≪想いが淡いピンク色に染まる≫

 君ならあの人を幸せに

 することができる

 信じてるよ……



目を大きく開いて、歌詞カードを慌てて出した。


「君、なら……」

先輩が、律玖さんと別れた理由が──分かった気がした。

「っ……先輩っ……」


私のために先輩は別れたのだと。

律玖さんを悲しませないために別れたのだと。

「っぁ……く……っ」






「やっぱりここにいたんだね」
「律玖さんっ……」

声でわかった。
涙でぐしゃぐしゃな顔を見られたくなくて、振り返りはしなかった。

「CD……聴いたんだ」

こくりと頷く。
律玖さんは近付いて、私の頭をポンポンと二回、軽くたたいた。

「アイツさ、自分が病気だから別れるって言ったんだ。俺は別れねぇって言ったのに……最後には嫌いになった、とか言ってきて……」

私は黙って律玖さんの話を訊く。

「最期まで……優しい奴、だった」

私は大きく首を横に振った。

「……先輩はっ……優しいです……。
今もっ……これからもっ……それは変わりません」

茉璃愛先輩は、きっと律玖さんを見守っている。
だってあんなに、律玖さんの事を想っていたのだから。


歌詞カードをもう一度見る。


[桜舞い散る空の下で、また逢えたら]

これで、曲はおしまい。
でも、茉璃愛先輩の想いは、残っている。



「そうだな」

もういないみたいな言い方をしたら失礼だなと、律玖さんは付け足した。

「もう、泣かないで。茉璃愛が哀しむ」
「っ……だって……」

涙を拭って必死に止めようとする。

「優歌ちゃん」

涙を拭う私の手を、律玖さんの手が止めた。

「?っく」
「ひどい顔」
「!律玖さんっ、ひどい顔って」
「やっと顔見れた」

律玖さんの温かい笑み。

「律玖、さん……」