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急いで、学園に戻った。
授業は始まっているらしく、静まり返っていた。
その中、音楽室へ行きCDを聴く。
「……」
【虹色パレット】が始まる。
自然と歌詞を口ずさむ。
サビの部分だ。
≪君と描く未来(あす)へ≫
描こう
虹色のパレット
歩き出そう
虹色に輝く未来へと
「あっ……」
雪月花が流れ始めた。
≪青い空の下 優しい君に出会った≫
桜がひらりと舞う季節
一緒に笑ったね
何度も笑い
何度も泣いた
あの日を君は覚えていますか
きらりと光る波しぶき
君の笑顔みたいにきれいで
一緒に過ごした日々
楽しくて
嬉しかった
君はあの時をどう思っていますか
「……っ」
まっすぐ胸に響いてきて、茉璃愛先輩の思いに心が震えた。
≪君が好きなのは≫
私の好きな人でした──……
ふと、そんな歌詞が耳に飛び込んできた。
≪想いが淡いピンク色に染まる≫
大好きだとあなたに
一度も伝えられなかった
哀しい音が空に響いて
この想いと共に消えていく
「消えないでよ……」
茉璃愛先輩は、ずっとこんな思いを抱えていたんだ。
≪紅い葉が一枚木から舞い落ちる≫
君があなたの隣で笑っていたのを
そっと見つめてた
一緒にいたかった
何度もそう叫んで
何度も涙流して
君にしかできないことだと
分かっているけれど
この苦しさは胸に残る
君、というのは──私の、こと?
あなたというのは、律玖さん?
まっすぐ胸に響いてくる歌詞を、心に刻みながら聴く。
≪白い雪がちらちらと降る≫
君が私を気遣いあの人への想い
隠していたこと知っていたよ
ずっと一緒に笑っていたから
何度もいたずらし
何度も笑わせてくれた
そんな君が好きでした
いたずらなんかしてないよ。
小さくつぶやきながら、そっと目を閉じた。


