歩き出そう、虹色に輝く未来(あす)へと。




◆◆◆◆◆

急いで、学園に戻った。
授業は始まっているらしく、静まり返っていた。
その中、音楽室へ行きCDを聴く。

「……」

【虹色パレット】が始まる。

自然と歌詞を口ずさむ。
サビの部分だ。



≪君と描く未来(あす)へ≫

描こう

虹色のパレット

歩き出そう

虹色に輝く未来へと





「あっ……」

雪月花が流れ始めた。



≪青い空の下 優しい君に出会った≫

 桜がひらりと舞う季節

 一緒に笑ったね

 何度も笑い

 何度も泣いた

 あの日を君は覚えていますか



 きらりと光る波しぶき

 君の笑顔みたいにきれいで

 一緒に過ごした日々

 楽しくて 

 嬉しかった 

 君はあの時をどう思っていますか



「……っ」

まっすぐ胸に響いてきて、茉璃愛先輩の思いに心が震えた。



≪君が好きなのは≫

 私の好きな人でした──……


ふと、そんな歌詞が耳に飛び込んできた。


≪想いが淡いピンク色に染まる≫

 大好きだとあなたに 

 一度も伝えられなかった

 哀しい音が空に響いて 

 この想いと共に消えていく


「消えないでよ……」

茉璃愛先輩は、ずっとこんな思いを抱えていたんだ。


≪紅い葉が一枚木から舞い落ちる≫

 君があなたの隣で笑っていたのを

 そっと見つめてた 

 一緒にいたかった

 何度もそう叫んで

 何度も涙流して 

 君にしかできないことだと

 分かっているけれど

 この苦しさは胸に残る



君、というのは──私の、こと?
あなたというのは、律玖さん?


まっすぐ胸に響いてくる歌詞を、心に刻みながら聴く。


≪白い雪がちらちらと降る≫

 君が私を気遣いあの人への想い

 隠していたこと知っていたよ

 ずっと一緒に笑っていたから

 何度もいたずらし

 何度も笑わせてくれた

 そんな君が好きでした




いたずらなんかしてないよ。

小さくつぶやきながら、そっと目を閉じた。