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渉に別れを告げてから四日。
渉には、何の未練もなく楽しく学校生活を送っていた。
「優歌ちゃん、いい知らせ!」
「茉璃愛先輩、どうかしましたか?」
昼休み、茉璃愛先輩が私を訪ねてきた。
「しばらくしたら、文化祭あるじゃない?そこで、私と優歌ちゃんでCDを出さないかって。……ねっ、やってみない?」
「本当ですかっ?やりたいです!!」
「じゃあ、部活のときにいろいろ決めたいから、よろしくね」
明るくふるまっているものの、先輩の顔色が悪かった。
「大丈夫、ですか?顔色、悪いみたいですけど」
「大丈夫、気にしないで」
そう言うと去って行った。
具合、悪そうだったけど……大丈夫かな。
部活の時間。
早めに行くと、先輩がピアノを弾いていた。新しい曲というのがすぐわかる。
「こんにちは……」
「優歌ちゃん」
明るい、優しい笑顔で迎えてくれた。
「作曲は私がするね。作詞は、お願いしていい?」
「はいっ」
二人で話し終えると、部員が集まってきた。
「聞きましたよ、部長、優歌ちゃん」
お祝いされつつも、頭では作詞について考えていた。
わくわくしていて、ちょっと照れくさい……そんな感じが胸に、心にあった。
「優歌ちゃん、こんな感じでいいかな」
~♪~♪
目を閉じると自然と歌詞が浮かんできた。
曲が終わるとともに書き始める。
この気持ちが消えないうちに……。