「いつもこれ、つけてくれるね」
「……せっかくかって貰ったから……」
「はは、無くしちゃったお詫びなのに、“買ってもらった”って言うの、凜っぽい。優しいよな」
「………」
照れくさくて口を尖らせると「ほら、それじゃあ塗れないよ。俺、こういうの初めてで下手なんだから」と笑われた。
「はみださないでね」
「難しいなぁ」
顔の真ん前に気配を感じた。
顎に手がかかる。
すぐ脇ではスケボーの音がして、遠くからは子供たちの歓声が聞こえる。
緊張して、ふ、とでた息が震えた。
開いていても閉じても世界はさほど変わらないのに、わたしは恥ずかしさから逃げるように瞼を閉じた。
「ーーーー凜」
奏多は小さく小さく囁いた。
囁きと一緒に、唇に吐息が当たった。
唇に柔らかいものがふわりとふれて、下唇を軽く啄んだ。
「……せっかくかって貰ったから……」
「はは、無くしちゃったお詫びなのに、“買ってもらった”って言うの、凜っぽい。優しいよな」
「………」
照れくさくて口を尖らせると「ほら、それじゃあ塗れないよ。俺、こういうの初めてで下手なんだから」と笑われた。
「はみださないでね」
「難しいなぁ」
顔の真ん前に気配を感じた。
顎に手がかかる。
すぐ脇ではスケボーの音がして、遠くからは子供たちの歓声が聞こえる。
緊張して、ふ、とでた息が震えた。
開いていても閉じても世界はさほど変わらないのに、わたしは恥ずかしさから逃げるように瞼を閉じた。
「ーーーー凜」
奏多は小さく小さく囁いた。
囁きと一緒に、唇に吐息が当たった。
唇に柔らかいものがふわりとふれて、下唇を軽く啄んだ。