ハンバーガーとポテトで、食べやすいもので良かったと思っていたが、お洒落なハンバーガーは縦にボリュームがあって意外と食べ辛かった。


「凜、ほっぺたにソースついちゃってる。とるね」

言うと同時に、奏多はウェットティッシュでわたしの頬を撫でた。


「う、うん、ありがと……」

子供みたいで恥ずかしい。
手とか服とか汚してないかな。
っていうか、これ哲弥さんも奈子さんも見てるんだよね?
こういうコミュニケーションって、普通なのかな。


「うおー、手がソースでベタベタ。やべ、肉が落ちる」

「奏多は凜ちゃんの世話ばっかりしてないで、自分の世話しなよ。ソースまみれじゃん」


哲弥さんがお説教をする。
みんなも苦戦しているようで、ちょっとほっとした。


「奈子さん、わたしの服、汚れてないですか」

「大丈夫。袖があぶないから捲っとくね」

「あ、凜、俺がやってあげるよ」

「だから奏多は先に自分の手を拭けってば」


和気あいあいとした食事となった。