「おい! 誰が白目だ。うそつくな」

哲弥さんが即座に突っ込んだ。


「ふふっ」

わたしはまたふき出す。四人の姿を想像したら笑えた。


「あ、凜ちゃん?! 俺白目じゃないからね?!」

「いいや、哲弥は白目でめちゃくちゃダサいぞ。凜は哲弥より俺を信じるよね」

「凜ちゃん! こいつは嘘つきだよ!」

漫才しているみたいに二人の掛け合いは息ぴったりだ。


「わたし、写真ほしいなぁ」

思わず口をついた。

「今日の記念に、部屋に飾りたい」

するとみんなは黙ってしまった。
そこでわたしははっとする。

(ただちょっと遊んだだけの写真を部屋に飾るだなんて、重すぎでしょ…しかも見えもしないのに……!)

慌ててなんて言い訳しようと思っていると、髪の毛がわしゃわしゃっとかき混ぜられた。


「へ……え……?」

頭に手をやると、そこには手が乗っていた。
これは奏多の手だ。髪に絡むのは奏多の指だ。


「いいじゃん。俺も部屋に飾ろうっと」

奏多が言った。


「わたしもー。今日の記念に。来る度に写真買ってさ、コレクションしちゃう?」

「いいね、それ。面白そう」


哲弥さんと奈子さんも賛同して、結局四人とも写真を購入した。
写真は2パターンあったらしく、哲弥さんと奈子さんカップルは別々の写真を選んだ。


「お揃いだな!」

奏多の弾んだ声に、わたしも大きく頷いた。