親友だと紹介された哲弥さんは、物腰の柔らかいひとだった。
奏多が明るくて屈託がないので、落ち着いている哲弥さんとはよいペアだと感じた。
哲弥さんの彼女である奈子さんも同い年で、大学で福祉の勉強をしているらしく、わたしのことを“わかっているひと”でありがたかった。
正面からちゃんと話しかけ「握手をお願いしてもいい?」と手を包んでくれた。
ちょっとカサついて、ふっくらとした女性らしい手。それを知るだけで、彼女の情報が増える。
声も落ち着いている。
働き者で優しいといった第一印象だった。
運転手は哲弥さん。
四人で車に乗り込み、テーマパークへと出発した。