とある年の暮れ……。
僕はカノジョにプレゼントをあげようと考えていた。
以前からカノジョは「新しいバックが欲しい」と言っていた。
確かに持っているバックはボロボロだったから、彼氏としてかわいそうだなと思っていた。
ただ、カノジョのリクエストはなかなかに難しい。
革製のちょっと大人びたバックが良いなんて言うもんだから、彼氏の僕は探すのに苦労する。
福岡県民の僕からすると、とりあえず「天神に行くか」となる。
東京だとどこだろう? 渋谷とか? ま、そんなどこだと思ってもらえれば……。
いわゆる若者の街で、だいたい若い女の子の買い物は天神と決まっている、気がする。
なので、僕は普段なかなか足を運ばない天神へと一人向かったのである。
行くところ行くところ、なかなかカノジョが欲しがるものがない。
参ったなぁと、あきらめかけていたその時だった……。
とあるビルの地下で、小さなお店を見つけた。
主に革製品を扱ったしぶいお店だ。
店長も中年だが、ヒゲが似合うカッコイイ大人って感じで。
僕は店に入ることにした。
それを見て、店長が優しそうに声をかけてくる。
「プレゼントですか?」
「あ、そうです」
「カノジョさんっすか?」
「ええ、まあ……」
しばらく、店長と談笑していると、店の奥にあった電話が鳴り響く。
「あ、すいません。ちょっと、僕外れますんで、お店の若い子に変わりますね」
「は、はい……」
そう言って、店長が若い女性店員と交代する。
髪の色が少し明るめで、ショートボブの美人さんだった。
参ったなぁ。
僕はシャイだから、あっちの店長の方が話しやすかったのに……。
「こんにちは~ 店長から聞いたんですけど、カノジョさんにプレゼントを探してるんですって?」
妙に馴れ馴れしい人だなと思った。
もう真冬だというのに、胸元がざっくりと開いたセーターに、チェックのショートパンツ。
しかも、網タイツまで履いちゃって……。
「どんなのお探しですか~?」
僕に質問してくる際も、腰をかがめて胸元を強調してくる。
まったく無防備な女性には困ったものだ。
一応、ここは紳士的な対応で……。
「えーっと、革製のなんていうか、長持ちするバックを探していて」
言いながら、僕はしっかり、あみあみなタイツと胸元を交互に見てあげる。
「でしたらぁ。これなんか、良いと思いますよ~」
そう言って棚から、取り出したのは、キャラメル色のショルダーバッグ。
お値段はなかなかに高いが、まあ何年も使うならいっかと納得する。
しかし、ここでちょっと一つの疑問が浮かぶ。
「あの、すいません……」
「はい? なんでしょう?」
お姉さんは、僕のカノジョより少し背が高い人だ。
紐の長さが気になった。
「すいません、バッグをかけてもらっていいですか?」
僕がそう言うと、お姉さんはニッコリと微笑む。
「いいですよ~ カノジョさんにあげるんですもんねぇ♪」
お姉さんは、快くショルダーバッグを肩からかけてみる。
「こんな感じですねぇ♪」
僕は上から下まで、お姉さんの全身を見渡す。
「う~ん……」
「どこか、気になります? バックは腰あたりにかけますもんねぇ。後ろ向きましょっか?」
「あ、お願いします」
そして、お姉さんは、僕に背を向けた。
腰をかがみ、お尻をグリッと強調して、僕に見せつける。
「こんな…んふっ。感じですねぇ」
腰を曲げているため、自然と息が漏れる。
肝心のバックは、お姉さんのお尻より少し下に垂れてしまっている。
「どう……ですか? カノジョさんにあいそう……ですか?」
「えーっとぉ……」
お姉さんはずっとお尻を突き出している。対して、僕は顎に手をやり、その姿を食い入るように眺める。
気がつけば、店に入って一時間ぐらい経ってしまっただろうか?
最初に応対してくれた店長さんが、戻ってきた。
「お客様、そのバッグが気に入られましたか?」
「あ、そうっすね」
と言いつつ、二人して、お姉さんの小尻とバッグを交互に見つめあう。
「これねぇ、いい革なんですよぉ。汚れがまたね、いい味を出してくれてね。10年以上持ちますよ」
店長がお姉さんの尻を指差して、解説をはじめる。
その間もずっとお姉さんは、尻を向けたまま、顔だけ出している。
「んふっ。私もこれでいいと思いますよぉ~」
そろそろ、このお姉さんを解放してあげないと、腰を痛めそうだ。
僕が「もうこれにします……」と言いかけようとするのだが、店長がそれを静止する。
「見てください! この鮮やかな色! 絶対、カノジョさんが気に入りますって!」
「は、はぁ……」
「ちょっと、触ってみてください!」
そう言って、お姉さんの腰下に垂れているバッグを触らせてもらう。
「ね? やわらかいでしょ? それからね、人間の手の脂がね、つくとまた良い色になるんですよねぇ。僕が海外で直に輸入してきたもので……」
店長の説明は終わることを知らない。
僕はバッグを購入するまで、店に入ってから2時間もかかった。
もちろん、お姉さんは僕にずっとケツを突き出したままだ。
まさか! この人、バックの意味をはき違えていやしないか!
ぼ、僕にほ、掘れ……。いや、惚れているのかもしれない!?
僕はカノジョにプレゼントをあげようと考えていた。
以前からカノジョは「新しいバックが欲しい」と言っていた。
確かに持っているバックはボロボロだったから、彼氏としてかわいそうだなと思っていた。
ただ、カノジョのリクエストはなかなかに難しい。
革製のちょっと大人びたバックが良いなんて言うもんだから、彼氏の僕は探すのに苦労する。
福岡県民の僕からすると、とりあえず「天神に行くか」となる。
東京だとどこだろう? 渋谷とか? ま、そんなどこだと思ってもらえれば……。
いわゆる若者の街で、だいたい若い女の子の買い物は天神と決まっている、気がする。
なので、僕は普段なかなか足を運ばない天神へと一人向かったのである。
行くところ行くところ、なかなかカノジョが欲しがるものがない。
参ったなぁと、あきらめかけていたその時だった……。
とあるビルの地下で、小さなお店を見つけた。
主に革製品を扱ったしぶいお店だ。
店長も中年だが、ヒゲが似合うカッコイイ大人って感じで。
僕は店に入ることにした。
それを見て、店長が優しそうに声をかけてくる。
「プレゼントですか?」
「あ、そうです」
「カノジョさんっすか?」
「ええ、まあ……」
しばらく、店長と談笑していると、店の奥にあった電話が鳴り響く。
「あ、すいません。ちょっと、僕外れますんで、お店の若い子に変わりますね」
「は、はい……」
そう言って、店長が若い女性店員と交代する。
髪の色が少し明るめで、ショートボブの美人さんだった。
参ったなぁ。
僕はシャイだから、あっちの店長の方が話しやすかったのに……。
「こんにちは~ 店長から聞いたんですけど、カノジョさんにプレゼントを探してるんですって?」
妙に馴れ馴れしい人だなと思った。
もう真冬だというのに、胸元がざっくりと開いたセーターに、チェックのショートパンツ。
しかも、網タイツまで履いちゃって……。
「どんなのお探しですか~?」
僕に質問してくる際も、腰をかがめて胸元を強調してくる。
まったく無防備な女性には困ったものだ。
一応、ここは紳士的な対応で……。
「えーっと、革製のなんていうか、長持ちするバックを探していて」
言いながら、僕はしっかり、あみあみなタイツと胸元を交互に見てあげる。
「でしたらぁ。これなんか、良いと思いますよ~」
そう言って棚から、取り出したのは、キャラメル色のショルダーバッグ。
お値段はなかなかに高いが、まあ何年も使うならいっかと納得する。
しかし、ここでちょっと一つの疑問が浮かぶ。
「あの、すいません……」
「はい? なんでしょう?」
お姉さんは、僕のカノジョより少し背が高い人だ。
紐の長さが気になった。
「すいません、バッグをかけてもらっていいですか?」
僕がそう言うと、お姉さんはニッコリと微笑む。
「いいですよ~ カノジョさんにあげるんですもんねぇ♪」
お姉さんは、快くショルダーバッグを肩からかけてみる。
「こんな感じですねぇ♪」
僕は上から下まで、お姉さんの全身を見渡す。
「う~ん……」
「どこか、気になります? バックは腰あたりにかけますもんねぇ。後ろ向きましょっか?」
「あ、お願いします」
そして、お姉さんは、僕に背を向けた。
腰をかがみ、お尻をグリッと強調して、僕に見せつける。
「こんな…んふっ。感じですねぇ」
腰を曲げているため、自然と息が漏れる。
肝心のバックは、お姉さんのお尻より少し下に垂れてしまっている。
「どう……ですか? カノジョさんにあいそう……ですか?」
「えーっとぉ……」
お姉さんはずっとお尻を突き出している。対して、僕は顎に手をやり、その姿を食い入るように眺める。
気がつけば、店に入って一時間ぐらい経ってしまっただろうか?
最初に応対してくれた店長さんが、戻ってきた。
「お客様、そのバッグが気に入られましたか?」
「あ、そうっすね」
と言いつつ、二人して、お姉さんの小尻とバッグを交互に見つめあう。
「これねぇ、いい革なんですよぉ。汚れがまたね、いい味を出してくれてね。10年以上持ちますよ」
店長がお姉さんの尻を指差して、解説をはじめる。
その間もずっとお姉さんは、尻を向けたまま、顔だけ出している。
「んふっ。私もこれでいいと思いますよぉ~」
そろそろ、このお姉さんを解放してあげないと、腰を痛めそうだ。
僕が「もうこれにします……」と言いかけようとするのだが、店長がそれを静止する。
「見てください! この鮮やかな色! 絶対、カノジョさんが気に入りますって!」
「は、はぁ……」
「ちょっと、触ってみてください!」
そう言って、お姉さんの腰下に垂れているバッグを触らせてもらう。
「ね? やわらかいでしょ? それからね、人間の手の脂がね、つくとまた良い色になるんですよねぇ。僕が海外で直に輸入してきたもので……」
店長の説明は終わることを知らない。
僕はバッグを購入するまで、店に入ってから2時間もかかった。
もちろん、お姉さんは僕にずっとケツを突き出したままだ。
まさか! この人、バックの意味をはき違えていやしないか!
ぼ、僕にほ、掘れ……。いや、惚れているのかもしれない!?