すごい……寝室もでっかいベッドだったけどこっちの部屋も広いし庭も見える

「このお部屋ってお高いですよね?」
「普通のスイートルームだよ」
「……私払えないんで帰ります」

立ち上がるとすぐ手を引かれて座らされた

「請求なんかしないから……この部屋は元々俺が泊まる予定だった部屋だからお金の心配は一切しなくていいよ」

足がプルプルしてきた
お酒飲んで知らない人と関係をもつなんて自分がこんなにチョロいとは……

「寒い?」
「いえ……」

「結璃菜はシャワーしておいで…シャキッと目を覚ましてから話そう」
「シャワー?」

「ちょっと俺は部屋から出てくるからさ、ゆっくり湯船に浸かってもいいし…今日は仕事は休みだろ?」
「はい」

仕事が休みの事まで話してたんだ

「朝食も頼んでるから待ってて」

そう言うと結城さんはポーチを抱えて部屋から出ていった

結璃菜は浴槽を覗いた
ホテルのアメニティって凄いな

テレビでしか見たことないけど、バスローブもある

そしてカゴには昨日結城さんが使ったであろうと思われる脱ぎっぱなしのバスローブとバスタオルが置いてあり
朝起きた姿を思い出してしまった

シャワーでいいやと蛇口をひねる

あ〜温かい……

今日は土曜日で会社も休み
スイートルームなんて滅多に、いや一生泊まれないかもしれないから結城さんに甘えちゃお

昨日の事は……忘れたい……

バスローブというものを初めて着て、浴室から出て部屋に行くと庭に結城さんが戻ってきていた
ドアを開けるとタバコを吸っていた

「おかえりなさい」
「フッ…ただいま」

フゥ〜っと煙をはく
「タバコ吸われるんですね」

「普段は吸わないけど、たま〜に吸うかな」

結城さんは携帯用の灰皿にタバコを入れた

「朝食にしよう」
「はい」

部屋に入り電話で運んで下さいとお願いしていた

バスローブの私は寝室で料理が運ばれるのを待つ
すぐに豪華な朝食が運ばれた