「私もこの前師匠から勉強の為に行ってきたらと言われたんですよね」

うっ、師匠命令……

「それじゃ、日曜日に帰ってくれば…いいんじゃ……」

「はぁ……自分だけ楓丸くんとのんびりですか?」

う〜それはそうだけど私は有給あるしだし……
暫く坂本さんもおとなしかったのに

「ちょっと保留にさせてください
その前に来週の金曜日のビアガーデンの予定を組まないとって幹事頼まれてるじゃないですか」
「そうだね」

そうだった!
急だけど2人で決めてくれと先輩から言われたんだった
「今日中に探して見るね」

昼休みに久しぶりに同期のひまりと社食で食べた
有給のことを話すと
「ぜーったい、わざとよ」

「だよね、有給ないのに病欠ならともかく……おじいさんだってもう社会人なんだからそんな平日に無理言うかな?まだ書道の世界を知るのは全然だけど……」

楓くんと付き合いだしたことはひまりにも報告済みだ

「彼氏に相談してみたら?」
「今は……また展覧会で忙しいんだよね」

今週末は県外に出張って言ってたし……

「ひまり、あとさ、いいお店知らない?」
「あー、先週企画部でいったとこ教えよか?」
「お願いします」
「おk」

午後の仕事で席につくとひまりに教えてもらったお店を坂本さんに聞いてみた

「じゃあ、回覧回すので人数決まったら予約おねがいします」
カタカタとパソコンを打ち始めた

仕事が早いなぁ
坂本さんが来てから私気を遣ってばかりだ
普通ならほっとくんだけどなぁ

家に帰ってとりあえず来週の金曜日の飲み会と有給の保留をLINEしておいた

楓くんはチェイサーといって水を飲みながらお酒を呑むこと!と教えてくれた

あと、楓くんのいない時はビールだけにすること
最初の酔い方を知ってるから心配みたいで……

飲み会の時は連絡することになっていて家についたらLINEする事になっていた

仕事が終わった頃に了解と返事がきた
楓くんは結構マメだ

もっとわがままも言っていいとまでいってくれるのだが
それは今までの本気じゃない女性と同じだと私は思う

週末のデートも全部出してくれてるのに……
絶対旅行は自分の旅費は出すともう楓くんに宣言してある

じゃあ、宿泊費だけもらうよと言ってくれた
ちゃんと貯金も少しずつ出来てるし楽しみにしてるのだが……まだ坂本さんからは返事は貰えず