婚約者としての紹介が終わってからは週末のお稽古の後結璃菜の手作り夕食や、時には外食など付き合いは順調だった
クリスマスイブはもちろんホテルのスイートルームで夜景を見ながら食事もした
そして出会ったBARにも顔を出して楓くんの友達のマスターに付き合い始めた事を報告した
楓丸の好みの女性だと思ったよと言われて嬉しかった
そしてスイートルームでは甘く激しい夜を過ごした
今日の洋服は楓くんのプレゼントだった
オシャレな楓くんのスーツに合わせて少し大人っぽいドレスを買いに連れていってくれた
食事のマナーも教えてくれた
展覧会の開催の後にはちょっとしたパーティもある時もあるそうなのでゆっくり覚えていって欲しいと言われている
そういう話をしながらもドレスを脱がせていくのだ……
出会って2ヶ月だけど将来の事を話すことも増えた
年末年始は生徒の書き初めで忙しいのと春に展覧会が2つも出品を控えていて私の指導も作品の締切までは会えないと……そのかわり電話はくれた
仕事でもみんなに字が読めるようになったと褒められてそれは本当に嬉しかった
ちゃんと身についてる
そして春の展覧会に楓くんに連れられて家に久しぶりにお邪魔すると初めてお母さんを紹介されたと思うとその場で着物の着付けをされ、赤が基調の振袖を着させてもらった
「今日は楓丸の後ろで頭を下げていればいいから」
「はい」
認めてくれたのかな?と楓くんに聞く
「みんなが結璃菜が綺麗だったと母さんに話したから会いたかったらしい(笑)」
髪もまとめてくれて楓くんと展覧会に車で行く
この日は楓くんも着物を着ていた
まだよく書道の流れはよくわからないけど楓くんの作品の前に来た時に賞の札がついていた
「おめでとう、楓くん」
「ありがとう、結璃菜」
今日は表彰式があって着物を着たことがわかった
たくさんの人が楓くんの周りに集まってくる
お母さんに着付けも習おうと思った1日だった
表彰式の後のパーティーには受賞者だけが集まるから1度帰って今度はスーツに着替えるという
「結璃菜」
「何?」
「疲れた?」
「ん〜何もわからなくてキョロキョロしてたかも(笑)見られていたら恥ずかしいかな……楓くんは前にいたからわからなかったと思うけど」
「夜は皆に誰?って聞かれるんだろうな」
「嫌?」
「まさか(笑)やっと今日が終わったらゆっくりできるよ、デートしような」
「うん、楽しみ」