特別……楓くんはおじいさんにかなりの期待をされてるんだ

「長生きしてもらわないと俺はまだまだ学ぶことがあるんだよ」

廊下からスリッパの音がする

「みんな、ご飯にしないか?そろそろ翔吾(しょうご)も到着するよ」
「もう翔吾が来る時間か……よっこらせ」

机を支えて立つのがつらそうだった
手を貸そうと近寄ったが楓くんに止められた

「自分で出来ないと弱るから……」
「あっ、はい」

そうなんだ……ハラハラしながらも立つことができた

客間に通されると食事のところにはおじいさん用の椅子が置かれていた

立派な木の応接台にはちらし寿司にお吸い物、サラダが並んであった

「いただきます」
と手を合わせてお寿司をいただく

「美味しいです」
「よかった」

「うちの料理担当は父さんなんだよ」
「そうなんですね」

「僕はサラリーマンでね、朝は早いけど夜は定時で帰れるんだよ
妻は休みの日や夜はいない時が多いから」

「母さんは着付け教室を開いていてね、OL向けに講座してるから父さんの仕事終わりから仕事を始めるっていうね(笑)」
「でも、先生って凄い」

「うちは婿養子の僕以外は先生なんだよ」
「兄貴は教員してるんだ」

凄いご一族だ……