「結璃菜?今日泊まる?」
「ここに?」
「うん」

まあまた明日会うからいいか
「いいよ」

そう言うと楓くんは個人用の携帯を出して連絡しているようだった

同じ機種でカバーで変えているようだ
黄色いカバーはプライベート用
黒いカバーは仕事用

「家に連絡?」
「うん、帰らないって(笑)」

「怒られないの?」
「もう27だよ?ちゃんと連絡すれば何も言われないよ」

「一人暮らしはしたことないの?」
「家で仕事だからそれは考えたことないかな、自分の練習もしないといけないし」

「そっか……楓くんも頑張ってるね」
「うん、頑張ってるよ」

夕食は足りた?と聞いてくれた
お腹いっぱいと返事をすると

「これから運動するからすぐお腹減るよ(笑)」
「えー、夜食がいるじゃん(笑)」

夕食を片付けてもらい2人はベッドに入る
服を脱がされて身体中にキスをされていく

「なぁ、結璃菜」
「ん?こそばい(笑)」

楓くんは1度キスを止めた

「俺とちゃんと付き合って欲しい……ダメかな?別れたばっかりでまだ気持ちの整理できてない?」

「婚約者のフリは?」
「それは明日だけで多分納得してくれると思うんだ」

「師匠は何歳なの?」
「93歳かな」
「お元気なの?」

2人はベッドで向き合って座る

「5年前に体調を崩して入院したんだよ、その時に跡を継がなきゃって自覚したかな」

そう言うと少し遠くに目線をやった

「楓くんのご両親は跡は継がないの?」

「そうだね、また明日詳しく話すけど結城流派の跡継ぎは俺なんだ」

かっこいいなぁ……