「結璃菜は苦労してんだな」
「苦労とは思わないけど現実を受け入れるかな……自立しなきゃ」
「まあ、俺もそうだな、現実を受け入れる……いやもう受け入れたかな」
楓くんはおいでと言って軽く後ろから抱きしめてくれた
今までこんなに優しく抱きしめられたことはなかった
「楓くんもつらいことあった?」
「まあな……でも生活することには困らなかったから金銭面では家族に感謝はしてるかな」
食事に行こうと言われて2人で楓丸の車に乗る
この間とは違う高級ホテルに入っていった
今日はスイートルームではなかったけどルームサービスで食事をとり豪華な食事を食べた
「あの……私って食事でつられてる?」
「そんな事ないよ(笑)結璃菜は金目当てで寄ってくる女じゃないってことは最初に会った時からわかってたしな」
「そういう人もやっぱりいるんだね」
「いるな〜、まあすぐ見抜けるけどな」
「そういう時はどう対処するの?」
「……別に特にはだな」
「よくわかんない……」
「結璃菜にはあまり知られたくないって事」
「婚約者なのに?」
「婚約者だからだ(笑)」
チン!とシャンパングラスで乾杯する
「いただきます……ん!美味しい」
「もうちょっと酔って乱れて欲しいところだな(笑)」
「えーお腹いっぱいで寝ちゃうかもよ(笑)」
「それはそれでごちそうする嬉しさがある」
「ねぇねぇ」
「何?」
「私、何もお返しできないからさ、今度お天気のいい時にピクニック行ってお弁当食べて欲しいな」
「結璃菜の手作り?それは楽しみだな」
「ほんと?子供っぽいかな?大丈夫?」
「うん、楽しみにしてる……ついてる」
口の横にソースが着いていたみたいで手で拭ってくれた
「こういうとこは子供(笑)」
結璃菜は真っ赤になって紙ナプキンでもう一度拭いた