儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

「…行ってきます!」
お母さんは一瞬だけ目を見開き、笑った。お母さんの昔の笑顔とそっくりで、泣きそうになってしまった。
「行ってらっしゃい」
もう、この世にお父さんも、お母さんもいない。それでも、私を大切に思ってくれてる人がいる。少ないかもだけど、それだけで私は頑張れる。

学校に着くと、咲良が泣きながら走って私の方へ向かってきた。
可愛い顔が台無しだな、と思ったものの、このように心配させてしまったのは自分なんだと思うと、少し申し訳ない。
「なぁぁづぅぅみぃぃ」
勢いよく抱きついてきた咲良は、大声で私の事を心配してくれた。
「…ごめん?!つい嬉しくて…」
そう言うと彼女は私から離れた瞬間、赤い瞼を細めて笑った。やっぱり、咲良は笑顔が似合うな。中学の時は可愛い感じだったけれど、今は美人と言った方が咲良にはぴったりだ。
「あ、そういえばさ、あと少しでクリスマスだよ?!夏海はもう誰かと約束しちゃった、?久しぶりにどこか遊び行きたいなって思ってるんだけど…」