「僕は……、愁だよ、如月愁。よろしくね｣
「愁、ね。よろしく」
名前を口に出したら、とても懐かしい、温かい気持ちになった。なんでだろう、とても落ち着く。
「ねぇしゅ…」
『ねぇ愁、どうして入院してるの？』って聞こうとしたら、愁の方が先に口を開いていた。
「夏海は…どうして病院にいたの…？」
急に名前を呼ぶからびっくりしてしまった。胸がドキドキする…。この音、愁に聞こえてないよね…？
「え、あ、私は、事故に遭って…」
「え…事故にあったのっていつ?!何時頃?!」
急に彼が大声をだして聞いてきたから肩を縮めてしまった。それに気付いた彼はすぐにごめんと言ってくれた。
「確か…10日くらい前かな…」
そう言うと彼は、まるで全身の血が無くなったかのように真っ青になった。
「え…、愁大丈夫?!」
「夏海…、ごめんね、ごめんね…。」
真っ青になったかと思えば、次は私にずっとずっと謝った。ごめんね、ごめんねって…。