先生と記憶の話をしてから1週間が経ち、リハビリとして病院の廊下を歩いていた。やっぱり、まだ足が動かしずらいな…。
その時、反対方向から綺麗な男の子が歩いてきていた。
同い年くらいかな、彼は俯いていたのであんまり顔は見えないけど、歩く度になびく前髪の隙間からは、青色の美しい瞳が一瞬見えた。…外国人みたい。
なんか、胸がゾワゾワする、どうしてだろう。ちょうどその時彼とすれ違った。彼は未だに下を向いていたため、目が会うことは無かったけど、この病院を使用しているから入院してると思った私は、また会えるだろうと軽い気持ちで、廊下を進み始めた。
翌日は検査のため、看護師さんと検査室に向かった。昨日はリハビリも兼ねて廊下を歩いていたけど、こういう移動の時は、車椅子に座って移動させてもらっている。
「ねぇ佐々木さん、聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「どうしたの?」
彼女は佐々木さん、私の担当の看護師さん。