この3年間、咲良と過ごせなかったから無駄、なんて思わない。だって、こんな事されなかったら、あの日丘へ行こうと思わなかった。そしたら、愁に会えなかった。辛いことばっかりだったけど、愁と出会えたことが私の1番の幸せ。彼がいなかったら、梨々花達に立ち向かう勇気すら出なかった。でも、その勇気のおかげで、咲良とも仲直り出来た。
彼には、感謝してもしきれない程の幸せと勇気をもらった。
その時、昼休みを終えるチャイムが鳴り響いた。
梨々花たちは、納得しないような顔で教室に戻っていく。
「咲良、本当にありがとう」
「私こそ、ありがとう!」
私達は、また仲良くなれる。
3年越しの、仲直りしたいという願いを、私達は叶える事が出来た。
咲良と仲直りした後、咲良が「5時間目サボろっか」と言う言葉により、屋上で女子会が始まった。
「夏海には、大切な人出来たの〜?」
咲良の恋バナの流れで、私の事についての質問がきたところだ。
「私にもいるよ、大切な人」
「え?え!ほんと?!詳しく教えて!」
そのような流れで、咲良に、愁との出会い、愁の日々、愁への…気持ち。全てを教えた。
「そっか、そっか。そんな事があったんだね…なんか、知らない間に変わったね、少し寂しい」
咲良はそう言うと、クスリと笑った。
「私、変わったかな?」
「変わったよー!だって、中学の時は好きな人作らなかったじゃない!」
「確かに…」
「それほどその愁って人は大切なんだね!私、応援してる!」
「…うん、ありがとう!」
咲良との談笑を楽しんでいたら、5時間目の終わりのチャイムが鳴った。
私たちが教室に戻ると、まだ先生が残っていて、休み時間はこっぴどく叱られてしまった。その時梨々花達に笑われた気がしたけど、もう何も思わない。私には咲良がいるから。
こういうのも、『青春』って言うのかな…。
もしそうなら、これからは咲良と青春を、感じてみたいな。