あの夜から2日が経った。今日は、愁の記憶が戻る日。今、4時間目の英語の授業を行っている最中。私はいつも通り、授業内容を聞かず、耳に入ってきた単語も左から右に聞き流す。
愁は、今何してるかな…。もう、記憶戻ったかな。早く会いたい。
私の生活は、愁を中心に回っているようになっていた。愁が居ない生活なんて、絶対楽しくないし、考えられない。愁と出会う前まで1人で過ごしていた事を思い出せないくらいに、私の心の真ん中には、愁がいる。
でも、愁はもう、春を迎えることは出来ない。これから先ずっと、一緒に色んな場所に行ったり、色んな事をする事すら叶わない。
いつの間にか昼休みを告げるチャイムがなっていた。いつものように屋上に向かうと、途中の階段で、誰かを待ち伏せしているような人達がいた。……どうして、梨々花達がいるの…？
「あ、夏海来た〜」
「うちらずっと待ってたんだからね？」
「梨々花が話したい事があるんだって｣