あぁ、そっか。私は愁のことが好きなんだ。
今まで私は恋をした事が無かった。
ただ単に自分の感情に気付いていなかったからかもしれないけど、この人とずっと一緒にいたいって思える人はいなかった。
そう初めて思えたのは彼、愁だった。
でも彼は、余命半年。
一緒にいたいと願っても、神様は私達の関係を終わらせようとしてくる。
神様は不公正だ。どうして彼のような優しい人が、生まれた時からの縛りという鎖に囚われなければならないのだろう。まるで、全て諦めろと言っているようなものだ。
でも、未来は変えることは出来ない。私のようななんも取り柄のない人間に、人の人生を変えられるような力はない。
でも、愁が最後まで幸せと思えるような人生にしてあげる事は私でも出来るかもしれない。出来る限りの時間は一緒に過ごして、2人で笑って、泣いて、喜びあって、たくさんの事を教えてあげたい。
夜に寝るのが惜しいくらい、私は彼と一緒にいたいと願っている。