もう、耐えられなかった。涙が次々に零れてきて、拭っても拭っても流れてきた。
愁は今どんな顔して、どんな事思ってるのかな…。視界がぼやけて、彼の顔が見れない。
私が泣くから、やっぱり話さなきゃ良かったって思ってる?
もう未来を変えることは出来ないからって、諦めてる?
ごめん、ごめんね。私が泣いて。
1番辛いのは愁のはずなのに…。あの日、どんな思いで私と話してくれたの…?
本当は1人で、医師の言葉を理解しようとしていたかもしれないのに、私が来ちゃったから、無理して笑ってくれていたんだよね…?
「それはもう、本当に変えられないの…?」
「変えられないよ…絶対に。僕はもう、春を迎えることが出来ないんだ…。」
「そっか、そっか…。ずっと辛かったよね…、ごめんね…?辛いこと話させちゃって…。」
「っ…、夏海…」
そして、彼の美しい瞳から、たくさんの、たくさんの涙が流れた。まるで、今までの思いを涙と一緒に流すような、綺麗な涙だった。