「さっき夏海は、『愁にも』って言ってたけど、夏海にも何か辛いことがあるの?」
「え……。」
思わず目を見開いてしまった。『にも』なんて言うつもりなんてなかった、私の事は気にせずに、彼には笑っていて欲しかったから。でも、私は『にも』って言っていた、無意識に。
私は心のどこかで、誰かに自分の辛さを共有して楽になりたかったのかもしれない…。
「私なんかの辛さなんて、愁に比べたら全然大した事じゃないよ…。」
そう、私は自業自得。両親が亡くなって、2人を死に導いてしまった私は、幸せになっちゃいけないって思って咲良を突き放した。そこから別人のようになって、梨々花達のグループに虐められてしまっている。
両親を死に導いてしまったのも私。
咲良を突き放したのも私の意思。
内気な性格に変わったのも私が臆病だから。
あぁ、全部自分のせいじゃん。
愁は、自分から望んで病気になった訳じゃない。私なんかと比べたら、愁の方が辛いはず。