その後私たちは夕ご飯を食べながら、旅行で行きたい場所についてたくさん話した。その旅行が、最後になることも知らずに…。

そして私たちは何事もなく、旅行当日を迎えた。私は1週間本当に楽しみにしていて、朝から浮かれていた。
「こら夏海、朝からそんなんじゃ、夜までもたないわよ?」
「だって楽しみなんだもん!」
最近はお父さんの仕事が忙しく、私が寝た後に帰ってくるのが当たり前になっていたため、お父さんと話す機会がなくなっていた。
私たち一ノ瀬家は北海道に住んでいるから、雪は当たり前のように見るし、生まれた時からずっと雪だるまや雪合戦で遊んでいたため慣れてしまった。その時は、たくさんお父さんとも遊んでたな。

お父さんとお母さんの出会いは、大学らしい。当時も北海道に住んでいたお父さんが1度実家を出て、東京の大学に通っていた。もちろん周りには知り合いがおらず、1人で授業を聞いていると、一目惚れしていたらしいお父さんが勇気を出して隣に座り、話すようになったらしい。ちょっとベタだけど。