そして私は、自分の体じゃないように、勝手に走り出していた。でも、止まろうとも思わない。とても、不思議な感覚だった。
そしてふと、この前の授業の時見えた森に行こうと思った。
走って、走って、走りまくった。まるで、誰かを求めるようにー。
森に着くと、「入るな、危険」と書かれた板が置いてあったが、無視して森の中に入る事にした。体が吸い込まれていくみたいに。
森の中は、危険と書いてあったから、もっと険しい道かと思っていたけど、幸いにも一本道だった。後先考えず行動してしまう私の悪い癖が、今は何故かそんな自分が嫌にならない。ここで引き返してはいけないと、誰かに言われている気がして、私はどんどん道を進んで行った。
10分くらい歩いただろうか、森の1番真ん中であろう場所に到着した。そこには、さっきまでたくさんあった木が途絶えて、円のような丘が存在していた。その丘の真ん中には、この森の木とは雰囲気が違う、まるで天国にある木のように、不思議な木が丘の中心に一本だけたっていた。