『可哀想』はただの同情だ。
心の中では、どこかで自分じゃなくて良かったって気持ちがあるから、可哀想って言えるんだ。
「別に私だって好きでこんな事してるんじゃない!でも、柊はあんたを好きになって、朝だって、みんなの視線を関係なしにあんたを助けた、ずるいよ…。どうせ親の死を利用して彼の優しさに溶け込んで同情してもらおうとしたんでしょ?!私だって、柊が好きになってくれるなら、誰でも捨てられる!親でもっ…!」
私だって、両親が帰ってきてくれるなら、1人でもなんでもいい。でも私には、その選択肢すら与えられなかった。神様、どうして私から2人を奪ったの?どうしてあの日、2人を連れて行っちゃったの…。
こんなこと、今更願ったって遅い。あの時、私が無能だったから、2人を助ける方法だってあったはずなのに…。
もう何もかも終わりにしたい。もう、1人は嫌だよ、お父さん、お母さん。逢いたいよ…。
もう、2人の事悪く言わないで。そんなの、聞きたくないっ…。