「その、私に何かあるんだよね…?」
「うん」
彼の真剣な顔に何を言われるか怖くなったが、私は唾をゴクリと流し込み、落ち着きを取り戻した。
「ずっと前から一ノ瀬の事が好きだった。中学の時から、ずっと。両親の事故で変わったお前が、ずっと心配だった…、俺は一ノ瀬のそばにいて、一緒に色んな苦しみ乗り越えて行きたいと思ってるんだ。」
え、それって…
「告白、って事だよね…?」
「うん。今朝、有馬達のグループの話し声が聞こえて、ちょっと聞いてたら一ノ瀬だって分かって、咄嗟にドアを開けて助けようとしてた…また同じ事があるかも知れないから、守ってあげたいって思ったんだ…、だからその…俺と、付き合って欲しい。」
柊君は良い人だ。良い人だからこそ、私と関わっちゃいけないんだ。私の事を好きでいたとは知らなかったけど、人から想われるのは、久しぶりだからとても嬉しい。嬉しいけど…
「ごめんなさい、柊君。私は、幸せになったらダメなんだよ…想ってもらえるのは凄く嬉しいよ、でも、まだ両親の死から時が止まってるみたいに、過去に囚われているの…お父さんとお母さんが死んじゃったのは、私のせいなんだ。だから私は、一生幸せになっちゃいけないんだよ、ごめんね…。」