儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

明日を迎える0時には、もう生きていないということなのではないかと。
私は完成した絵と、愁が好きだと言っていた丘に咲いている花を摘み、病院を目指した。
病院に着いて時計を確認すると、夜7時前を針が指していた。
「はぁはぁ…愁!」
病室に着くと、彼は寝ていた。まるでもう目覚める事のないように眠っていた。
私は、なんてミスを犯したのだろう。
なんて勘違いをしてしまったのだろう。
「愁…?もう夜だよ…?早く起きなよ…」
私の瞳から零れた涙がシーツに染みていく。
私は彼の手を握り、起きて、起きてと繰り返した。
彼の手は、まるで氷のように冷たかった。
私はもう、ダメなのかなと諦めかけていた。もう、何をしても自分の犯したミスを取り繕う事は出来ないんだろうと。
彼の手の甲に私の涙がひとつ落ちる。
「ん…な、つみ?」
「愁!」
私は何も考えずに、彼の胸に飛び込んだ。
私の涙が、彼の服を濡らしていく。
「夏海…なにか、不思議なんだ…体は冷たいし…凄く、眠いんだ…」
「寝ちゃだめだよっ…今寝たらっ…」