あんまり乗り気では無かったけど、柊君の真剣な顔を見たら嘘をついてまで断る訳にもいかなかった。
「うん、空いてるけど…」
「なら、6時間目終わったら校舎裏来て欲しい、俺、ずっと待ってるから」
それだけ言って、彼は屋上を後にした。
彼みたいにみんなから人気のある人が、私になんの用があるのだろうか。
少し考えたが思い当たることがなかったため、残りのお弁当を口にした後、屋上を出た。
午後の授業後、帰りのホームルームが終わった瞬間、クラスの人達は帰りどこで遊ぶとか、宿題多すぎとかで、教室が感情が溢れていた。
その中で柊君が教室から出たのを確認し、私も少し経ってから校舎裏へと向かった。
校舎裏の近くには、自販機や、学校全体のゴミ箱がある。
そこで私は、柊君の姿を確認し、少し早歩きで彼の元へ向かい、遅れてごめんとだけ告げた。
彼は笑顔で、大丈夫だよとだけ言った後、小さな沈黙が起こった。