儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

彼はまた小さく笑った。叶わないことを知っているからなのか、そんな未来はないと諦めているからなのか。
「じゃじゃーん!そんな愁のために、私昨日頑張って作ってきちゃった!」
「え?」
「だから、チョコじゃないけどマカロン!愁のために!」
私は恥ずかしくなって、彼の胸元にマカロンが入った袋を突きつけた。
「え、僕に…?」
彼はまだ理解出来ていないのか、何度も私に聞いてきた。
「だからそうだってば!」
こっちだって恥ずかしいんだから。
「あ、ありがとっ!今食べてもいい?!」
彼はまた、水族館に行った時のように犬になった。
「う、うん…」
目の前で食べられるのは少し緊張する。もし美味しくなかったら…?たくさん彼にあげたいという気持ちから、味見をするのを忘れていた。というよりしなかった。
彼はひとつ取り出し、パクッと食べる。
「ど、どう…?」
「うん!凄く美味しい!ほんとに手作り?!」
「良かったぁ…」
私は安堵の息を吐き、彼の言葉に心の中で喜んだ。