儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

「じゃあね咲良!今日は本当にありがとう」
「夏海も、明日頑張ってね」
朝に集合したはずなのに、驚くことにもう夕方になってしまっていた。夕日が世界をオレンジ色に染め、異世界のように感じる。
玄関の前で別れを告げた咲良を見えなくなるところまで見届け、家へと戻った。

翌日、今日はバレンタイン。
昨日の夜からものすごく緊張してしまい、気持ちよく寝れなかったのが本音だ。
私は部屋で1人、よし!という意気込みの言葉を口からもらし、身支度の準備を始めた。
化粧はクリスマス以来だ。今日もお母さんに頼もうかなと思ったけれど、やはり自分の力で何かを成し遂げてみたいという自分の感情のいう事を聞いて、化粧台の前に座った。
深呼吸をしてから、手を動かしていく。
時間的に失敗は許されない。
30分くらいだろうか。集中していて時計を見ることを忘れていた私は、鏡で見て驚いた。
「意外と、出来てる…?」
自分のありのままの気持ちを小さく呟いた。