儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

彼の声は、いつものような優しさを秘めていなかった。ただただ、悲しい声だった。
まるで、1人孤独と闘っているような。
「またっ…夏海に悲しい思いさせちゃったっ…」
『また』なんて言わないで。
あなたは、私から何も奪ってない。
数えきれないほどの幸せをくれた。
知らないことをたくさん教えてくれたり、美しい言葉をかけてくれたりしてくれた。
今日は幸いにも人が少なくて助かった。こんな姿、誰かに見られたら大変だ。
「愁、ごめん…私も言い過ぎちゃった…ほんと、ごめん…」
なんで私は、いつもこう上手くいかないのかなぁ…。
自分に呆れ、ため息まじりの笑いが出た。
「僕達って、結構言い合いみたいなのになるけど、すぐ仲直りするよね」
彼は小さく笑い、私もそれにつられて笑う。
「夏海、いつもありがとう」
彼は改めてそう言った。
そんなの、こっちのセリフだよ。
「私こそ、ありがとう」
言葉にしなきゃ伝わらないものもあるんだ。