儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

愁にも、好きな人いるのかな…。
おみくじでこんな気持ちになるなんて思いもしなかった。
私って、こんなに愁の事好きになっちゃってたんだな…。
「夏海はどんなのだっ…『大切な者去る』って…」
今度は彼が私のおみくじを覗いた。彼は目を見開き、反射的になのか顔を下に下げた。
「だ、大丈夫だよ!ほら、おみくじだし。それより、屋台見に行こっか」
私はこれ以上彼が彼自身を責めて欲しくなかったから、あからさまだったけど笑顔を作り、話題を変える。
おみくじをしてから、彼が口を開く回数が極限に減ってしまったため、私は沈黙をつくらないようにずっと話題を出し続けた。
こんなになるなら、おみくじなんて引かなきゃよかった。ううん、お祭りに誘った時点で間違っていたのかな…。
私は自分の過ちを心の中で後悔し、早歩きになっている事に気付かなかった。
後ろで、バタンッという音を聞くまでは。
「…え?」
胸騒ぎがした。後ろを振り向かなくても、嫌というほどの恐怖が襲ってきた。