儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

意地悪な言い方かもしれないけれど、彼のお願いが凄く気になってしまった。
「んー、僕は、夏海の幸せかな。僕がいなくなっても、大切な人を見つけて笑顔で過ごせますようにって」
彼は紅潮した頬をかきながら微笑んだ。
その優しさは嬉しいけれど、それって…自分にお願いしても無駄だからって事にも捉えられちゃうんだよ。
「私は愁がいなきゃ笑えないよ。これからも、この先もずっと。だから、愁が長生き出来ますようにって祈るから」
ただの照れ隠しでも、言い訳でもない。本当にそう願っているから。彼の未来にまだ先を作ってくれるように、神様に頼むから。だから、そんな悲しい顔、しないで…。
「夏海、僕の病気は治らないし、進行が遅くなる訳でもない。ただ、18歳を迎える事ができないって事だけだよ。だから、夏海は自分の事をお願いしてね」
…何、それ。もう生きることすらも諦めているの?確かに、そういう感情は本人にしか分からない事だけど、寄り添う事くらいは私にも出来るんだから、頼って欲しいよ…。