儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

「…うん」
彼の笑顔の裏には、悲しみでいっぱいだと思う。それを、私が幸せの笑顔に変えられたらなと思って一緒にいるのに。私が彼に甘えてばかりだ。私って本当に最低だなぁ…。
「ねぇ夏海」
「ん?」
「…ご両親、ずっとくっついてるけど、仲良いんだね」
彼は小声で私にそう言った。私も2人のそのような姿は見た事がなかったので、両親に視線を向ける。
…本当に、恥ずかしい。彼の言う通り、2人は若いカップルみたいにベタベタだった。
美麗も友達を見つけたのか、同い年くらいの子供と話をしていた。
「じゃあ私たちは行く?お参り」
「そうだね」
私は何をお願いしようかな。
「夏海は何をお願いするの?」
お参りまでは人が沢山いるため、並んでいる時に彼は私にそう尋ねた。
彼はきょとんという擬音をまとっているのではないか、というくらいの顔で首を傾けた。
つい、可愛いと思ってしまう私。
「ひ、秘密!」
彼のきょとん顔に胸を打たれ、照れ隠しのようなものをしてしまった。
「しゅ、愁は?愁が教えてくれたら私も教えてあげる」