儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

「そっか、ずっとそう思っていたんだね。言ってくれてありがとう」
「うん!…そういえば、愁の誕生日って3月14日だよね?」
「うん、そうだよ」
「桜、咲くといいね」
「うーん、咲くといいけどね」
うん、きっと咲くよ。
「それじゃあ、寝よっか」
「そうだね」
愁の言葉を合図に、彼はベッドで、私は保護者用のソファで寝る事になった。
「ソファでごめんね…申し訳ない…」
「全然大丈夫だよ」
彼の些細な優しさが嬉しくて、つい微笑んでしまう。
「おやすみ、愁」
「おやすみ、夏海」
そうして私達は眠りについた。

鳥の鳴き声と朝日の光を浴びて、私は目を覚ました。時間を確認すると、もう朝の七時になっている。体を起こすと、彼が笑顔でおはようと言ってくれた。
朝から彼といられる事が嬉しかったけど、スマホを確認すると。
【夏海?起きたなら早く帰ってきなさい、愁さんに迷惑かけちゃダメだからね?それに、お義父さんと美麗が夏海に会いたがってるから】というお義母さんからのメールが来ていたため帰る支度をし、彼の病室を後にした。