儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

そんな諦めたみたいな言い方、しないでよ。
私が絶対、この願いを叶えさせるから。
綺麗な夜桜、一緒に見ようね。
「そういえば、夏海の誕生日っていつなの?」
「私?私は、8月16日だよ」
「そっか…直接お祝い出来なくてごめんね」
今日の彼は、諦めてばかりだ。
そして、ずっと空ばかりに目を向けている。
何か、違う、いつもの彼と。
「愁、今日何か」
「夏海、後10秒で新年迎えるよ」
私が話している途中、まるで聞かれることを察したかのように言葉を遮られた。
「あ、うん…そうだね」
「3、2、1、0。あけましておめでとう、夏海。残り少ないけれど、今年もよろしくね」
「うん、よろしくね愁」
「今日はなんか、暗くてごめん」
「え、?」
「なんか、新年になって、自分が死ぬんだっていう実感がどんどん湧いてきちゃって…気持ちが暗くなっちゃってたよね、ごめんね」
「そう、だよね…私もずっと、愁が笑顔だから大丈夫だって勝手に思ってた。私、頼りないからさ、なんでも言ってくれって訳じゃないけど、ちゃんと頼って欲しい。友達だから、大切だからこそ、壁を作られてるみたいで悲しいって思っちゃう」