儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

そう思い、私は一日の始まりの朝を迎えた。

日にちは経ち、雪も溶け、跡形もなく消えていった。雪は、悲しい。降った瞬間はみんなが感動するのに、溶けた瞬間、忘れられる。でも、だから雪は好き。私も雪のようになりたいから。その場にいたらみんなに喜ばれ、消えたらみんなの記憶から忘れ去られる。なんて素敵なんだろうと思った。
クリスマスから何日か経ち、12月31日の夜となった。
今日は、家族と新年を迎える予定だ。
クリスマスの日の夜、彼は言っていた。
『あんまり、とゆうか結構良い話じゃないんだけど…僕の昔の事故のせいで、お母さんは精神的におかしくなっちゃって自殺したんだぁ…お父さんはそんなお母さんを見て、いなくなっちゃった。僕は一人っ子だったから、家族はもう、いないんだ』
彼は、悲しいはずなのに笑っていた。でも、彼の表情にはどこか、寂しさや悲しさのようなものを漂わせていた。
私も、家族を失ったけれど、新しい家族がいる。でも、愁には?
今私が楽しく過ごしている瞬間も、1人で、あの病室で、新しい1年を迎えようとしているの…?そんなの、想像したら、私だったら耐えられない。悲しみで押し潰されてしまうだろう。