儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

「な、なにか変だった?」
「ううん、ごめんごめん。ただ、お義母さんとふざけ合ってるのを聞いてると、なんか安心するんだ」
「安心?」
「うん、夏海が記憶を失う前に、お義母さんとの関係を教えてくれたから、ずっと心配だったんだぁ…僕がいなくなったら、その負の感情を、誰に吐けば良いんだろうなって…でも、安心した。もう僕がいなくなっても、大丈夫だなって」
彼にとっては、何気ない一言だったかもしれない。実際、彼は笑っている。
でも、それでも、今の一言は酷いよ…。
「ねぇ愁」
「ん?」
「今みたいな言葉、言わないで欲しい…」
「…え?」
「今みたいな『僕がいなくなっても』って言う言葉…私、愁が居ない日々なんて考えられないよ、ずっと一緒に大人になりたいよ…」
あぁ、最近の私は、泣いてばかりだ。
泣いてばかりだから、彼に無理をさせてしまう、心配をかけさせてしまう。
そんな自分が嫌い。彼を笑顔にするために傍にいるのに、これじゃあ私が笑顔にされているようだ。