儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

それでも私は特別のような気がして、凄く嬉しいよ。勘違いだったとしても、この幸せは、他でもないあなたがくれたんだからね。
「夏海、泣かないで?夏海が笑顔なら僕も笑顔になれる、でも夏海が悲しんでると、僕も悲しいよ」
そう言った彼の瞳が、揺れる。
少し困ったように笑う彼。
心配かけてごめんね、でも私は大丈夫。
そう思い、私は零れている涙を手首で拭った。
「そうだよね、心配かけてごめんね?」
「そう言えば、今日ってクリスマスなんだった」
確かに、完全に忘れていた。
「寒くなってきたし、そろそろ帰る?雪だってちょっと降ってきた」
「愁、わがまま言ってもいい?」
「ん?どうかした?」
「あのね、病室でもいいから、今日はずっと一緒にいたい」
彼は目を丸くした。とても驚いていたけれど、それでも笑って、許してくれた。
「でも、ちゃんと親御さんには許可貰ってね?僕が誘拐犯にされちゃうから」
そう言うと彼は、悪戯を成功させた少年のように、声をあげて笑った。