儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

彼は少し目を見開き、細めて笑った。
「ありがと…え、マフラー?」
「うん…よく屋上いるから、体冷やさないかなって思って…要らなかった、?」
「いやいや、違くて…ただ、嬉しくて…」
「ほ、ほんと?」
私はそう言いながら、上目遣いをした。
マフラーなんて、カップル同士があげるような物だと思っていたから、結構心配していたのだ。
「うん、プレゼント初めて貰ったから」
「え……え?」
プレゼントが、初めて?
お父さんやお母さんからは?
「家族からは?!」
「あ…そっか、今の夏海には言ってなかったっけ」
彼は小声で言ったつもりだったらしい、でも聞こえてしまった。『今の夏海』ってどういう事…?
「え、と…今の夏海って何?」
「いや、なんでもないよ…ごめんね?」
また、壁を作られた…。
ねぇ愁、私はそんなに頼りない?
どうしていつも、誤魔化すの?
今日は、今日こそは言わなくちゃ。
「ううん、ちゃんと言って欲しい。私って、そんなに信用出来ない存在なの?愁にとって、私は…」