儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

愁は気付いてくれるかな、可愛いって言ってくれるかな。
ワクワクしながら屋上に向かう途中、佐々木さんに会った。
「あら!夏海ちゃんじゃない!久しぶり!」
「佐々木さん!お久しぶりです」
「いつも以上に可愛くなって!彼氏にでも会いに行くの〜?」
佐々木さんはあからさまににやにやして聞いてきた。
「ち、違います!片思い、です…」
「あらあら〜、青春ね〜」
佐々木さんは、あ!そういえば!と、用事を思い出したようで、去っていった。
…片思い、か。言葉で言うのは少し気恥ずかしい。1人で赤面してはやばい人になってしまうので、少し俯きながら屋上へ向かった。屋上の扉を開けると、いつもの場所に愁はいた。
やっぱり好きだなと、改めて実感する。
好き。好きだけど、なんか…とても遠い。
いつもどこかで一線をおかれているような。私には壊すことの出来ない壁を作られているような。
その時少し強い風が吹き、目を瞑った。
スカートが風にあおられ、脇くらいまである下ろしてきた髪の毛は揺れる。